加藤健人がブラインドサッカーを始めてから大切にしている言葉、それが「始めなければ始まらない」という言葉です。何か物事を始める前に、できるかできないかを考えてしまい、あきらめたりした経験があるかもしれません。
加藤健人が持っていた障がい者のイメージは「何も出来ない人」でした。
高校生の頃徐々に視力が落ちていく中で、この先何もできないのではないか、勉強・スポーツ・進学や就職、結婚して子供を持つことなど、何もかもが自分にはできないと思っていました。高校を卒業後は家に引きこもり、気持ちはあってもなかなか一歩を踏み出せずにいました。
そんな時に両親から見つけてきてくれたブラインドサッカーと出会いました。
ブラインドサッカーを見学しに行き、体験をしてみると難しかったのですが、チームの人が誘ってくれたことで始めました。
それまで、これから先何も出来ないんじゃないか、自分なんて必要ないんじゃないかと思って生活していた中で、自分を必要としてくれている人がいるんじゃないか、自分の居場所はここなんじゃないかと思うことが出来た、私にとってはこの「誘ってくれた」ことがとても大きいことでした。
ブラインドサッカーを始めてからたくさんの出会いや経験を重ねていく中で「始めなければ始まらない」と思いが強くなっていったと思います。
初めから何でも出来た訳ではありません。たくさん練習をして、試合に出て、ゴールを決めて、日本代表候補に選ばれ、代表になって様々な大会に出られるようになったのです。
実際にやってみてできる事がたくさんあることに気づき、出来なくて「はい、終わり」ではなく、少し工夫してみたらできることもあるんじゃないかと思うのです。家族や友人、先生といった周りの人たちの協力を得てできることも、それでも上手くいかないこともあると思いますが、結果だけでなく、やってみたことが大事なんじゃないかと思うのです。
今、夢や目標がない人でもこれからの出会いや経験でそれらは生まれてきます。
「始めなければ始まらない」の気持ちで進んでいって欲しいと願っています。